幾千幾万のうちのひとつについて

 ペルソナ4

 いちおうネタバレ注意.

 もっともっと丁寧に語られるべき話ではないかなあ,というのが感想です.うっかりするとラスボスが悪者扱いで,世界からバッサリ切り取られてしまったかのように見えるのは,さすがに乱暴というか,ラスボス,かわいそうなんでないの.

 あと,前作同様「絆」という言葉がまるで引っかかってこなかったのですが,私が「絆」と言われて真っ先に思い出すのは『テイルズ オブ レジェンディア』や『葛葉ライドウ 対 超力兵団』や『九龍妖魔學園紀』なので,まあ,これは仕方がないですかねえ.『ぺルソナ4』の「かけがえのない絆」って,相手への理解が必要になるものなわけですよね.久々に『九龍妖魔學園紀』の話を持ち出しますと,たとえば葉佩と皆守にとって相互理解ほど遠いものはありません.嘘を重ね,過ちを継続することでしか守れない.そういうことだってある.でなければ真実にも辿り着けなかったりする.ちなみに九龍では《秘宝》と書いて「しんじつ」と読ませるんですが,まあ説明しないと意味わかんないよね.

 ラスボスのいざないはもちろん拒まれねばならぬでしょうが,ひとつにならずとも,むしろだからこそ繋ぐことができるのだと,誰よりも彼/彼女に手を差し伸べて欲しかった.次元の違う相手では叶わぬ望みだったかなあ.

 地上に溢れる幾多の嘘は,嘘であるという理由をもって退けられるのではなくて,彼/彼女がそのひとつひとつを無造作にまとめ上げ,全として用いたからこそ退けられねばならなかったと,そう思いたいのです.万の真実があったとしても千の嘘が消え去るわけではなく,また消えねばならぬ謂れもないと.(2008/10/21)


 ペルソナ4 ザ・ゴールデン
 …なーんて言ってたら,ラスボスさんから切り落とされたラスボスさんのかけらが,かわいいヒロインの姿でやってきました!!やったー!!(2016/10/30)